尾かじりを減らす育種

 2023年には、オランダにおいて、断尾は禁止される予定です。他のヨーロッパの国々では、断尾はすでに禁止、または厳しい制限が設けられています。

~犯人を捜せ~

 断尾は成長段階において発生する、“尾かじり”を防ぐために行われます。尾かじりから起こる経済的損失はとても重大で、高い疾病率・死亡率、成長の抑制につながります。尾かじりの被害豚を発見することは簡単ですが、尾かじりの“犯人”を見つけることは非常に苦労します。膨大な時間の録画ビデオを見返したり、観察をしたりしても、犯人を特定することは難しく、それ故、遺伝子選抜の特性に“尾かじり”を加えることは容易ではありません。

 尾かじりは豚の攻撃性とリンクする行動ではありません。どちらかというと、尾かじりは踏査行動(※1)に近く、豚の精神的障害の度合いを測るような評価尺度は適していません。その代わりに私たちは、豚の『代謝生成物』に注目するようにしました。                            ※1.踏査行動・・・実際に対象地へ行って調べる行動

~予兆は“セロトニン”(※2)        ※2.セロトニン・・・感情や気分のコントロール、精神の安定に深く関わる、脳内の神経伝達物質

 Topigs Norsvinの研究者は、脳内セロトニンのレベルが、尾かじり行動が表れそうな予兆になるかもしれないことを突き止めました。

 私たち人間にとって、セロトニンは、幸福感と関連がある神経伝達物質としてよく知られています。同様にセロトニンは、人間の憂鬱や強迫性行動、鶏の羽つつき行動にもリンクしています。そのためTopigs Norsvinでは、セロトニンレベルの低い豚を選抜して、ブリーディングを行っています。このブリーディングが将来、尾かじり行動を減少させることにつながり、またいくつかの環境的な改善も合わせることによって、尾かじり行動を減らすことにつながっていくでしょう。

 このブリーディングプロジェクトは、カナダのTopigs Norsvin核農場で、すでに12,000頭以上の離乳子豚を生産しており、現在進行形で動き出しています。

Topigs Norsvin Japanー日の出物産株式会社

この投稿を共有する

Share on whatsapp
Share on facebook
Share on twitter
Share on linkedin
Share on print
Share on email